
インターンシップ設計のポイントとは?
年々、インターンシップに参加する学生は増えていますが、
- 企画したものの学生が集まらない…
- インターンシップ参加後、選考に繋がらない…
などのお悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、学生目線に立ってインターンシップを捉えなおし、設計の際のポイントや満足度を上げる方法について解説いたします!
インターンシップに参加する目的とは
‐ 時期別にみる学生がインターンシップに参加する目的
まず初めに学生がインターンシップに参加する目的=インターンシップに求めることについて見ていきたいと思います。
参加目的からずれた企画をしてしまうと、訴求の際に刺さりにくかったり、予約したものの参加前に優先度が下がりキャンセルになってしまったりと、参加に繋がらないケースを生んでしまいます。
そのようなケースが生まれないためにも、学生がインターンシップに求めることを把握したうえでコンテンツの設計やスカウト文面を作成していきましょう。
インターンシップは企業単位で開催されるものになるため、全期間通して「企業研究の場」として活用する学生が多いです。
ですが、それ以外の目的に着目すると、夏や冬などの開催時期に応じて変化する部分もありますので、まずはこちらを細かく見ていきましょう。
引用:キャリタスリサーチ「2024年卒特別調査 インターンシップ等に関する特別調査」(2023年3月発行)株式会社ディスコ
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/internshipchosa_202304.pdf
■6月以前
大学3年生になってすぐ就活を開始するいわゆる早期層は、インターンシップを「自己成長」の機会と考えている学生も多いようです。
このニーズに対応するコンテンツとしては「自己分析セミナー」などの自己理解を深めるためのものが該当するのではないでしょうか。
就活を始めるにあたって、自分の強みや興味関心のある領域について整理をすることで、今後の就活の見通しを立てたり、インターンシップを探す際の軸を定めたりとこれから就活に取り組まれるからこそ需要が高い内容だと思います。
自己分析は自分一人で行うだけではなく、友達や家族も巻き込みながら実施する学生もいらっしゃるため、そこに採用担当の目線が加わると学生もより効果的な自己分析をすることができます。
■7~9月(夏インターンシップ)
この時期のニーズとしては「業界研究・企業研究」が多いようです。
特に「業界研究」に対するニーズが最も高い時期になりますので、ここで興味のある業界をはじめ、色んな業界の知識をつけたいと考える学生は多いと予想できます。
幅広く業界を見るという学生は9月以前のこのタイミングが一番多いかと思いますので、キミスカで学生検索をする際もあまり業界を絞り込みすぎず、幅広い層を集めるという観点で検索していただくことがおすすめです!
■10~12月(秋インターンシップ)
早期選考も徐々に始まる秋以降の時期では、「選考を見据えた企業研究」をするためにインターンシップを活用する学生が多いようです。
夏インターンシップを経て興味のある業界を絞り込む学生も多くいると考えられるため、その業界に属する企業をより詳しくみていくというフェーズが秋インターンとなります。
特に早期選考や年内の内定を目指す学生は、選考を意識して企業理解を深める、いわゆる面接などの選考準備の場として参加されることが予想できます。
反対に、この時期はキミスカの登録学生数が伸び始める時期でもありますので、早期選考を目指す学生がすべてではありません。
色んな学生が混在をする時期だからこそ、企業・仕事の理解がより深められるような仕事体験プログラムや現場社員との座談会などの両者にニーズのあるコンテンツを実施いただくことがおすすめです。
■1~3月(冬インターンシップ)
全期間を通じて「企業研究をしたい」というニーズが最も高いのが冬インターンシップです。多くの学生が就活解禁に向け様々な企業の説明を聞き、どの会社の選考を受けるのかを見極めるタイミングになります。
インターンシップの内容としてもより企業の理解を深めることができるものや、他社との差別化ができるようなものがニーズに対応していると考えられます。
自社だからできる仕事や今後の会社の展望など、選考の際に生きるトピックを中心に学生に発信いただけると良いかと思います。
‐ インターンシップに期待することと不安なこと
引用:就活みらい研究所【2024年卒インターンシップ・就職活動準備に関する調査】(2022年11月)株式会社リクルート
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/topic_24s_20221101.pdf
インターンシップに期待すること(上記画像の左側)を見てみると、ポイントが大きく2つありそうです。
1つは「業界・企業の理解を深めること」、もう1つは「会社や社員の雰囲気を知ること」です。
前者に関しては時期別の参加目的でも触れた部分にはなりますが、インターンシップを通じて「雰囲気を知りたい」というニーズ・期待も高く、ここで「自分と合っているかどうか」を見極める学生も多いと考えられます。
企業側は学生が会社の雰囲気もチェックしている点を意識して、社員のアサインや当日の場づくりをしていただく必要があります。
不安なこととしては、「選考への影響度」に関する回答が多い結果となりました。
具体例としては、「インターンシップ参加後は早期選考に案内をされるのか」といった参加後のフローの部分と、「インターンシップに参加しなかったことが選考で不利に働くのではないか」という参加しなかったことに対する不安などがあげられます。
この不安を解消するためにも、インターンシップ後のフローを参加前の段階で明示することや、選考案内の際にインターンシップの参加有無が与える影響について説明をしておくことが必要です。
インターンシップ設計のポイント
これまでの項目でインターンシップの参加目的や学生が不安に感じていることについてお伝えをしました。
その内容を踏まえ、インターンシップに来てくれた学生の参加満足度・企業に対する志望度を引き上げるためのインターンシップの設計のポイントについてご紹介します!
ズバリ設計のポイントは大きく3つです。
①就業体験を充実させる
②事前事後学習を充実させる
③インターンシップ参加~本選考参加までの繋ぎ止め施策も同時検討する
それぞれの項目について詳しく解説をさせていただきます!
‐ ①就業体験を充実させる
インターンシップの参加目的の大部分は「企業研究」であることが分かりました。
その手法として、多くの企業が人事から一方的に会社説明や仕事紹介をしているのではないでしょうか?
これがベーシックな手法ではあるかと思いますが、「理解を深める」「満足をしてもらう」というレベルまで引き上げるためには、学生自身が体験をすることが効果的です。
実際の仕事体験をしてもらうようなコンテンツや、それが難しいようであれば現場の社員に登壇してもらい、仕事やプライベートのリアルな部分を語ってもらうコンテンツも疑似体験をするという点で効果があると考えております。
‐ ②事前事後学習を充実させる
事前学習はインターンシップに対する目標設定、事後学習はインターンシップ後のフィードバックを指します。
満足感を感じてもらうためには、参加前の学生の期待値をクリアすること、期待を超えた成果を感じてもらうことが必要になります。
この「期待」が指すのが、インターンシップで成し遂げたい「目標」になります。
そもそも目標が設定できていないと、学生自身もこのインターンシップで何を得られたのかの振り返りがしづらく、「参加して終わり」の状況を作ってしまうことになります。
ですので、インターンシップ前に学生が何に期待しているのかをすり合わせ、企業と学生の双方が「今回のゴールはどこなのか」を把握できるような時間をインターン前や当日のコンテンツに組み込んでいただくことがおすすめです。
次に、事後学習のフィードバックについてです。
フィードバックしていただく一番の効果は学生に「この企業のインターンシップに参加してよかった」と再認識してもらい志望を引き上げることにあると考えております。
- インターンシップで得られたことに対する評価や振り返りをし、参加した意義を再認識してもらう
- 企業から自分のどこがどう評価されているのかを知り、自己分析や今後の就活に生かす
など、参加したからこそ得られた成果を言語化することで、「参加して終わり」にさせない導線を敷くことができます。
ここでより有意義なフィードバックをするためにも事前の目標設定は必要ですし、インターンシップ参加から次のステップまでの繋ぎ止めのいち施策としても、フィードバックの機会を設けることは大変効果的だと考えております。
‐ ③インターンシップ参加~本選考参加までの繋ぎ止め施策も同時検討する
インターンシップを設計する際、インターンシップのコンテンツを考えるところに時間を使っていただくことが多いと思いますが、それと同じくらい大切になるのが「インターンシップ参加後の繋ぎ止め施策」です。
学生のエントリー獲得が年々難しくなっていることから、今後は入口の母集団形成だけに注力するのではなく、インターンシップに参加してくれた学生を選考まで繋げる「エントリー者の離脱対策」も非常に重要なお取り組みになってまいります。
その一つが先程のインターンシップ参加後のフィードバック面談であったり、色んな社員に会ってもらう座談会、定期的な情報発信や連絡といった細やかな施策になります。
インターンシップを設計する際に、どれくらいの離脱が見込まれるのか、それに対してどんな手を打つことができるかといった部分まで計画を立て、事前にリソースを確保していただければと思います。
学生はインターンシップでここを見る!
最後の項目では、キミスカ利用学生のアンケート結果からインターンシップのどの部分が志望度や好印象/悪印象に繋がっているのかを考察していきます。
結論を先にお伝えをしますと、ずばりインターンシップにおいては「コンテンツの良さだけでなく、インターンシップから感じ取られる雰囲気が良くも悪くも印象に残る!」ということが分かりました。
下記資料は自由記述式の質問に対して「テキストマイニング」という分析方法を用いて調査をした結果になります。
志望度が上がった/印象が悪かった理由に共通するのが、「社員」「雰囲気」というワードです。
インターンシップに参加している社員のやり取りや雰囲気から、志望度が上がる学生も反対にマイナスな印象を感じてしまう学生もいることが分かりました。
企業側はこの点を意識しながら社員のアサインや当日の進行をご実施いただき、ネット環境等も万全な状態で気持ちよく参加できる体制を作っていただきたいと思います。
<参考記事>
キミスカ学生アンケート結果
インターンシップの内容が面白かった・印象深かったものという質問では「実際」や「グループワーク」といった単語が多く回答されていました。
「実際」という点では、実務経験や実際に社員と会うことができたという内容で、仕事内容を具体的に学ぶことができたり、会社の雰囲気を体感できたりと、自分が働くイメージを持てたという部分が評価されているようでした。
具体的なコンテンツとしては「グループワーク」に対するコメントが多く、「ワークを通して企業理解を深めることができた」「グループワークのフィードバックをしてもらった」という回答が寄せらせていました。
社員や参加している学生と意見交換をしながら、学生自身が考える場面も多いコンテンツになりますので印象として残りやすいのだと考えられます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
インターンシップを設計・運営する際は、学生が何を目的として参加するのかを明確にし、参加後のフォローアップも含めて検討をしていただければと思います!
今回のポイントを抑え、1人でも多くの学生をインターンに呼び込み、その後の選考に繋げていきましょう!