
【セミナー報告レポート②】活躍人材の採用について
売り手市場の現在、自社の魅力の訴求や、他社との差別化で離脱を防止することに苦戦されている企業様が増えているのが現状です。
今回は2023年8月24日に開催されたセミナー「今すぐ 実践できる エントリーから辞退させずに内定まで繋げる方法とは」
の内容を2部構成で記事にしております。
本記事は、講演内容の「エントリーから辞退をさせずに内定まで繋げるために何をすべきか」から抜粋し、
採用担当者が抱えている課題とその打開策についてお伝えいたします。
◆講演者プロフィール
甫坂 将
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
執行役員
目次
まず初めに、「採用のプロセス改善や分析を行う場合何から着手すべきなのか」を例を挙げてご説明いたします。
大きく4つの観点で分類することが多いです。
- ナビサイトや自社サイトでの集客
- 自社に合った書類選考評価軸/スカウトの検索軸の選定
- 対面選考での見極め精度の向上
- 内定後の離脱防止
特に採用担当者が苦労されていらっしゃるのは、集客・書類選考/スカウトの評価軸の選定・離脱の防止ではないでしょうか。
最近では、面接官の育成に取り組んでいる企業も増えてきております。
採用業務をブラッシュアップしていくポイントは、知りたいテーマが何かを書き出していくことから始めることが重要です。
採用課題の本質とは
では、そもそも採用業務全般での「課題」は何なのか整理していきましょう。
それは、「”限られた予算と時間のなかで”いかに活躍人材を確保するか」です。
採用担当者が潤沢にいる企業が少ないのが現状ですので、限られた予算・時間でどれだけのパフォーマンスを出すかがポイントです。
最近ですと「内定者が実際に活躍人材になるのか」という観点で採用を進める企業が増えております。
上の図で見ていきますと、左側の「予算」ではどんな軸でチャネルを選定をし、
実際に活用して効果があったのかまで分析します。
右側の「時間」では、どんなシステムを導入して業務効率化を図るか、
そして採用を数値化して改善する必要があります。
予算/時間の課題がクリアされて「活躍人際の採用」に繋がるのです。
ただ、この活躍人材の見極めを面接官の勘と経験に依存している企業が多いのも現状です。
採用管理システムの導入で「採用の見える化」を
では、採用担当者の勘や経験だけでなく「分析して施策を回していく」ためにはどうしたら良いのでしょうか。
多くの企業が解決策の1つとして挙げるのが「採用管理システムの導入」です。
ここで重要なのが、ただ導入するのではなく「業務効率化」と「採用の見える化」この2つの観点でできる採用管理システムを選ぶことです。
業務効率化を目的に導入される企業が多いですが、それに併せて、日頃のデータを蓄積していくことで、
その年度だけでなく次年度に向けて分析を行うことが非常に重要です。
それゆえ、現在キミスカでは採用管理もセットで販売しております。
学生をスカウトしエントリーをもらうだけで終わらせず、その後を見える化して、
より良い学生の採用につなげてほしいという想いがあります。
採用管理で何を効率化して、どこまで効率化できるのか
とはいえ、採用の分析の前に、まずは業務の効率化を行う必要があります。
ここでは、採用管理で何を効率化して、どこまで効率化できるのかをお伝えしていきます。
下の図は採用管理の全体像です。
エントリーから内定者フォローまで管理できるようになっています 。
そして、見える化という観点で言うと、最後の戦略改善・立案まで様々な分析機能も全てセットで提供できます。
今回は皆さんの採用にとってプラスになる機能を5つピックアップしてお伝えしていきます。
1.選考フェーズ管理
職種ごとに、採用候補者の選考フェーズを自動管理することができる機能です。
一度設定してしまえばメンテナンスが不要になるため、業務の効率化と見える化を同時に行うことができます。
毎回エクセルでステータスを管理する必要がなくなるのがポイントです。
2.日程調整
採用担当者が特に時間を費やしているのが日程調整かと思います。
採用管理の日程調整機能を活用することで、以下のような業務を簡素化することができます。
- 職種別で開催する説明会の募集人数を、応募状況に応じて自動調整
- 個別で連絡したりイベントの細分化をする必要がなくなる
- 日程の変更・キャンセル対応が同じフォームで受け付けられる
- 面接官との日程調整(カレンダー連携)、自動でzoomURLの発行
日程調整機能に関する記事もございますのでぜひご覧ください。
▶zoom発行もカンタン!面接の日程調整が1分で終わる
3.面接後のタスク管理
面接官ごとに、採用候補者の評価の入力を依頼をしたり、
採用チーム内で内定の連絡や内定承諾後のフォロー分担をしたりと、管理が煩雑になってくる可能性があります。
各々が抱えているタスクを採用候補者と紐づけて管理できます。
4.メールの自動化
リマインド、アンケート、お礼メールであったり、選考やイベントの概要を予約確定時に送付できたりといった自動化が可能です。
時間を費やしてしまいがちな連絡対応を自動化することは非常におすすめです。
5.マイページの作成
選考で活用していたマイページをそのまま内定者専用ページに差し替え、内定者同士のコミュニティとして活用いただけます。
課題や研修、入社の手続きも一括で管理できます。
内定者同士の交流の場とすることで、内定辞退の防止にも繋げられます。
業務効率化をしたうえで何を見える化していくか
ここからは、業務効率化したうえで何を見える化していくかお伝えします。
採用の可視化という観点で、恐らくほとんどの企業が出しているレポートがこちらかと思います。
選考プロセスごとにどれだけの採用候補者が通過しているのか見ることができます。
このレポートは、エクセルで管理するのではなく採用管理システムの中に組み込み、
自動化して最新のデータを見ていくことがお勧めです。
自動化するポイントとしては、採用年度別で見ること、チャネル・大学ランク・募集職種別の軸を活用してみていくことです。
毎回作り変えずワンクリックで軸の変更ができるようにしておくことで「今の現状を見える化」できるようになっています。
また、選考プロセスを志望動機データを絡めて下図のように活用することも可能です。
例えば、面接の数は多いのに採用数が足りていない企業の場合、内定承諾率の改善を行う必要があります。
下のグラフで言いますと、メーカー・小売志望の学生は選考進出の比率は少ないですが、内定承諾率が高い傾向があります。
このデータをもとに、母集団としての数は少なくてもメーカー・小売志望の学生にスカウトを送ることで、
承諾率の改善を見込めるという分析になります。
とにかくエントリー数を増やし選考で魅力を伝えたいという企業の場合ですと、
サービス・通信志望の学生がエントリー数に対し選考に進む割合が高い傾向がありますので、
スカウト送付対象をサービス・通信志望にも広げるという判断ができます。
続いて、適性検査を用いて、学生を面接で見極める方法です。
キミスカではTPIという適性検査を提供しています。
下図のように、性格やストレス耐性を用いてどんな仕事が向いているか診断することができます。
この適性検査は「比較」をする活用がお勧めです。
SPIのように点数で見分けるというよりは、他者との比較で効果を発揮するものになります。
ここでの比較は「現職の社員」や「既に入社が決まった学生」のデータです。
同じ採用管理内で社員の皆さんに適性検査を受検していただきます。
それによって、ハイパフォーマーになる傾向があるのは、積極性が高い人か、
それとも、社交性と協調性が高い人なのか分析できます。
最近だと仕事に対する価値観もセットで図ることが増えています。
相性を見ていただきながら、配属や研修のプログラムの構成を練っていただくことでミスマッチを防ぐことができます。
以下の記事も併せてご確認ください。
▶採用管理オプションだからできるデータ分析の特徴とは?
内定後の離脱を防ぐためには?
ここまでの分析をふまえ、内定出しまで進んでしまえば、
「離脱をさせない取り組み」がポイントになります。
ここで活用いただける機能が「離職前兆スコア」です。
メッセージの既読やマイページのログイン、着電の状況をスコア化します。
接触機会が多いほど内定辞退の可能性は低くなる傾向がございますので、
フォローの頻度や内容に役立てることができます。
離職予兆スコアに加え、以下の機能もフォロー施策のブラッシュアップに役立ちます。
- 選考パターン機能:チャネル別の傾向を分析
- テキストマイニング分析:アンケート結果や内定者の志望動機内の頻出単語を分析
特に、テキストマイニング機能では、内定者とセットで入社後3~5年目で活躍している社員の入社当時も分析することをお勧めいたします。
活躍人材になる傾向を掴むことは数値化しにくい部分ですので、
テキストマイニング機能での分析はぜひご活用いただきたいです。
以下2つの記事も併せてご覧ください。
▶人事のお悩み解決!採用計画に役立つ機能3選
▶「内定辞退対策」に効果的な機能とは?
最後に
”限られた予算と時間の中で”いかに活躍人材を確保するか。
売り手市場の現在に限らず、採用をしていくうえで常にこの課題と向き合っていくことになるかと思います。
採用担当者の「勘と経験」に頼るのではなく、どんな市場動向にも対応できるよう、分析データを蓄積していただきたいです。そして、その方法の1つとして、「採用管理システム」の導入で業務効率化と採用の見える化を実現していただけますと幸いです。